リネンラボラトリーの国産リネンで作る極上ハンドメイド

国産リネン

一昨年の冬に長年の夢だったハンドメイド作家としての活動を始めた私。ハンドメイド作家になろうと決意して商品の製作を始めてからは、何度も試作品を作っては修正を重ね、たくさんの生地サンプルを取り寄せる日々が続いていました。

そんな試行錯誤を重ねる中、ふと手にした手芸本に載っていたのが質感のよさそうなリネン生地で作られたカシュクールワンピース。気になって生地提供元を確認すると、そこには「リネンラボラトリー」の文字がありました。

いかにも素敵なリネン生地がたくさんありそうな名前に惹かれてサンプルを取り寄せてみると、期待以上に素敵な生地がたくさん!早速購入して自分用にサロペットを作ってみたところ、びっくりするほど着心地の良いものが出来上がり、私はその時に使用した25番手のリネン生地で商品を作ることを決めました。

あれから1年以上が過ぎた今、リネンラボラトリーの生地で製作した商品は少しずつ売り上げを伸ばし、友人知人にも大好評!今回はハンドメイドを愛する全ての人に自信を持ってお勧めしたいリネンラボラトリーのリネン生地について、ご紹介したいと思います。

目次

リネン生地とは

リネンは麻の一種で「フラックス」と呼ばれる亜麻の茎を原料に作られています。リネンの歴史は古く、「世界最古の繊維」とも言われるように、古代から人々に親しまれてきました。天然繊維の中では最も丈夫な生地である麻は、吸水性、保湿性、通気性にも優れており、衣類だけでなく寝具や様々な生活用品にも使われている、誰にとっても身近な素材です。

リネン生地の厚みは製造に使われる糸の太さで表されます。この糸の太さの単位を番手と言い、数字が高くなるほど糸が細く、生地も薄手でしなやかな手触りになっていきます。

私が愛用しているのは25番手生地と言われる中厚手のもので、主にジャケットやパンツ、サロペットなど、しっかり張りのある生地で作りたいものに適したものですが、市販されているリネン生地で最も多いのは、厚すぎず薄すぎない万能選手の40番手生地。そして次に多いのは薄手で柔らかな風合いの60番手生地でしょうか。

他にも数は多くないですが10番手ぐらいの極厚な生地から、30番手、80番手など様々な厚みの生地があり、中には縦糸と横糸が異なる番手で織られた生地もあります。

リネンの原材料となる亜麻の主な生産地はフランスやベルギーなどのヨーロッパが多く、日本でもフレンチリネンやベルギーリネン生地の服は大人気ですよね。また最近ではリネン生地の製造に高い技術を持つリトアニアから輸入されたリトアニアリネンも注目されるようになりました。

このように、リネンというと高品質なものはヨーロッパ産というイメージがありますが、実は日本で生産されているリネン生地もすごく優秀なんです!残念ながら国内では亜麻は殆ど生産されていないため、原材料はヨーロッパや中国からの輸入になりますが、日本の高い紡績技術と職人の技から作り出される国産リネンは、何を作ってもワンランク上の製品に仕上がること間違いなし!ハンドメイド作家には願ったり叶ったりの素晴らしい生地と言えます。

お手頃価格で上質な国産リネンを提供するリネンラボラトリー

数ある国産リネンの中でも私の一押しはリネンラボラトリーのリネン生地です。リネンラボラトリーは、織物の産地として長い歴史を持つ滋賀県の湖東地域で高品質な国産リネンを生産しています。

「本当に良いと思えるリネンしか販売しない」という確固たるポリシーに基づいて販売されるリネンは高品質で肌触りもよく、その商品ラインナップは中厚手でボトムやジャケットに向いた「100年リネン25番手」、リネン生地の定番でどんな製品にも使える「100年リネン-ベーシック-40番手」、薄手でシャツやブラウスにも使える「100年リネン-高密度-60番手」、リネンデニムなど多岐にわたります。

中でも100年リネンシリーズのベーシック-40番手と高密度-60番手はカラーバリエーションも豊富。発色も良いので必ずお好きな色の生地が見つかることでしょう。100年リネンシリーズとリネンデニムについては生地のサンプルも販売していますから、実際に購入する前に色味と質感をしっかり確認できるのも良いですね。

 

定番商品以外でも季節によっては起毛リネンが販売されたり、不定期ですが、大変お得な価格で販売される「訳あり」生地や、カットクロスの詰め合わせが販売されることもあります。ですからインスタグラムをフォローしたり、こまめにオンラインショップを覗いていると、思わぬところでお宝生地に巡り合える可能性もありますよ。

また、一度にまとまった量の生地を購入する場合には、定番の100年リネンシリーズやリネンデニムであれば卸売りの対応も行っており、通常よりも少しお得な価格での購入も可能です。卸売りは50m以上の購入からになりますが、ハンドメイド作家など、たくさんの商品を作る人にとってはとてもありがたいことですね。

愛してやまない25番手リネン

私自身はサロペットやエプロンドレスを中心に製作しているため、普段は25番手の中厚手リネンを愛用していますが、リネン生地を探しているといつも感じるのは25番手生地が少ないこと。

確かにどんな製品作りにも使えて便利なのは40番手生地なのですが、真夏以外のすべての時期に大活躍してくれる25番手リネンは本当に優れもの。リネンというと夏服のイメージがありますが、保温性の高いリネンは実は冬場にも暖かく着ることができますし、中厚手の生地は冬服と合わせても違和感なく着ることができます。

しかもこの中厚手リネンで作った服は、ウールなど他の冬素材に比べてお手入れも簡単。リネン生地ですから色落ちには注意が必要ですが、中性洗剤を使用すれば家で普通に洗えますし、干すときに丁寧に伸ばしておけば、乾いた後もアイロンは必要ありません。また、リネンならではの速乾性で半日も干しておけば乾いてしまします。

以前はカラーバリエーションが豊富だったリネンラボラトリーの25番手生地ですが、商品のリニューアルに伴い、現在はオフホワイト、キナリ、ブラック、ダークネイビーの4色展開になっています。私が製作しているサロペットはこの4色があれば問題ありませんが、今後はカーキ色やグレー系などのカラーバリエーションが増えてくれたら良いなと思います。

なお、現在販売されている生地は昨年リニューアルされており、定番の100年リネンシリーズは全て一等亜麻を原材料とするものに変わりました。実は、私が今製作に使っている25番手リネンはリニューアル前にまとめて購入したものなので、一等亜麻で作られたものではありません。しかしそれでも大満足の品質なのですから一等亜麻で作られたリネンはきっと素晴らしい生地になっていることでしょう。

ハンドメイド作家にも優しい価格設定

リネンラボラトリーの素晴らしいところは、生地か高品質なだけでなく、価格も大変お手頃な設定になっていることです。

リネン生地は布地の中でも決して安価な生地ではありません。私もハンドメイド作品を売ろうと決めた日から、数多くのサンプルを取り寄せて、価格帯も比較しましたが、殆どの生地は1mあたり3,000円から、高価なものでは1mあたり5,000円程度かかってしまいます。

ハンドメイド製品を販売するにあたっては、原価は本当に大きな問題です。お客様に自信を持ってお勧めできる製品を作るためには生地の品質、特に肌触りに関しては絶対に妥協はできません。しかし高品質な生地を求めると、当然価格も上がってしまいますから、どうしても販売価格が高くなってします。

私が製作・販売するのはサロペットやエプロンドレスなどの日常着でおしゃれ着ではありませんから、販売価格は日常的な価格、誰もが気軽に手に取れる価格にしたいと考えていたので、この生地価格の高さには本当に悩まされました。

しかし、100年リネンシリーズでは1m当たりの税込価格で25番手が、2,090円、ベーシック-40番手が1,980円、高密度-60番手が2,090円となっており、一般的な価格よりもかなりお手頃に設定されています。

価格は2023年2月現在のもの。3月1日以降は25番手が2,420円、40番手が2,420円、60番手が2,640円(全て税込み)になります。

販売は生地幅×1m単位になりますが、一般的に生地幅は1m前後のものが多いなかで、リネンラボラトリーの生地は140cm~150cmもある広幅です。同じ1mを購入した場合でもたくさんの物を作ることができますし、丈の長い服を作る際にも無駄なく生地を活用できるので、使い勝手の良さは抜群。また、購入金額にかかわらず送料は無料になっているのも嬉しいポイントです。

実際に手にしたお客様の反応は

現在、リネンラボラトリーの生地を使ったサロペットスカートとサロペットパンツはminneでも販売中ですが、主に友人知人からの口コミや、インスタを通じた問い合わせからの注文製作がメインになっています。

そして購入したお客様からのレビューは全て上々、皆さん適度に厚みのあるリネンの張りのある風合いと肌触りの良さを大変気に入っている様子です。また、リネンは洗濯するごとに少しずつ風合いが増して、生地に独特のこなれ感が出てくるのですが、その点に関しても、着るほどに生地が肌になじんでいくといったお声もいただいています。

そして昨年の後半から多くなってきたのは、自分用を購入した後で友人へのプレゼントに購入したり、色違い、型違いで購入するリピーターさん達。皆さんリネンサロペットの着心地の良さから、もう一着欲しくなったり、友人や家族にもプレゼントしたいと思われるそうで、こうしたリピーターさんの存在もリネンラボラトリーの生地の良さを物語っていますよね。

洋服以外にも様々なハンドメイドで活躍するリネン

洋服の素材として大変優秀なリネン生地ですが、その丈夫さと汚れにくさ、通気性、速乾性などから洋服以外にも様々な雑貨に活用できます。

私がハギレの活用によく製作するのはヘアターバン。我が家で使っている雑貨類は、大半が商品を製作した際に余ったリネン生地で作ったものですが、中でもヘアターバンは洗えば直ぐに乾くのでほぼ毎日使っています。それ以外にもエコバッグを作ったりしていますが、とても丈夫な生地なので少しぐらい重くなっても破れる心配がありませんから重宝しています。

その他、クッションカバーや枕カバーにも活用していますが、特に夏場はリネンのサラリとした肌触りが心地よく、寝心地は抜群です。

リネン生地でお手入れについて

天然素材の魅力あふれるリネン生地ですが、ハンドメイドを楽しむとき、また作った作品を長く愛用するためには、下記のポイントに気を付けてください。

水通しをしてから裁断する

水通しとは裁断前に行う地直しのことで、綿やリネンなど水洗い可能な生地に対して行います。やり方はとても簡単。大きめの容器に水を張って生地を浸し、1~2時間程度置いてから丁寧に伸ばして中表に干しで乾かすだけ。あとは必要に応じて裏側からアイロンをあてて生地の歪みを整えていけば終了です。

このプロセスを行うことで、仕立てた服が洗濯によって縮みや歪みが出たりするのを防ぐことができます。

家で洗濯するときは脱水の短いコースで

仕上がった作品を家で洗濯するときは中性か弱酸性の洗剤を使いましょう。また最初のうちは色落ちの心配もありますので単独手洗いをお進めしますが、色落ちし無くなれば洗濯機洗いも可能です。

ただし洗濯機洗いの場合は、あまり強く脱水をかけてしまうとシワの原因にもなりますから、「ドライコース」や「おしゃれ着コース」など、脱水時間が短めのコースを選びましょう。

干すときは日陰干しで

リネンなの天然繊維は直射日光で傷みやすいので、干すときは日陰干しにしましょう。速乾性があるリネンは日陰でも十分に乾きます。また干すときに丁寧に伸ばしておけば、殆どの場合アイロンはいりません。多少のシワは残りますが、それがリネン生地独特のこなれた風合いとなり、おしゃれな感を出してくれます。

以上、私が愛してやまないリネン生地と、愛用するリネンラボラトリーの生地についてご紹介させていただきました。天然素材であるリネンは環境にも優しく、丈夫なので長く使える素材です。多くの方が上質なリネンを使ったハンドメイドを楽しんでくれることを祈っています。

ライター:Marimo96_cw

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